姜尚中先生講演会「心について」について市民の方から感想をいただきました

2014年04月08日

姜尚中先生講演会「心について」について市民の方から感想

学校法人鎮西学院では、2013年12月に姜尚中先生による講演会を開催いたしました。

本講演会を聴講いただきました一般の方から感想をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

姜尚中先生講演会「心について」のご講演を拝聴して

私は高校の国語教師を勤め上げ、定年退職後、今までできなかったことをこれから思う存分やりたいと考えている者です。本日、言葉というものが心の中にぐいぐい入ってきて何かしらあふれてくるものがあるという、すばらしい体験をさせていただきました。納得のいく言葉というものは、すんなりと人の心の中に入ってくるのだと感じました。そこには、受け取る側の力が必要だということも。
講演の後、私は自分の人生について考えてみました。私の人生で「心のバトン」といえる出会いがあったのかということです。例えば「人生の師」といえるほどではないですが、受け取る側の心の準備ができていれば、たくさんの出会いの中で、いろんな教えをいただいて、今の自分があるということに気付きます。その出会いの中で、いかに気付くことができるかにかかっているということです。そのためには、私自身が「時間が止まる場所」をさがし、希望をもって生活していくことが大切なのだと感じました。
また、もう一つ考えたことは、私がこの世に生きた証として何か残せるだろうかということです。私は今自分の感じるまま文章にするということを大切にしています。過ぎ去っていく一瞬を忘れぬために、何かかきとめておくことで、自分にも新しく発見するものがあるような気がします。そしてこの何も先が見えないようなこの世に対して、若者が絶望することなく、前向きになるためには、やはり人生の先輩である人々が、自分の生きざまを身をもって教えていく必要性を感じます。即戦力ばかり優先せず、人間が将来つかいすてにならぬような、こころの持ちようをする努力が大切であると感じます。私自身は残りの人生を考えていく時、「真面目」に、ものごとから目をそらさずに生きていかなければならないと思いました。日頃真剣に取り組む姿勢からはずれそうでしたが、これではいけないなあと感じました。この考える機会をいただいたことに深く感謝いたします。

長崎市 M様

「心」を揺さぶられた姜尚中先生の講演

95分間も、絶え間なく講演に集中し聞き入ることが曾てあったであろうか。
漱石の『こころ』を中心に自著『心について』熱く原稿も見ずに語られる先生の姿と雰囲気に接しられたことだけでも感動を覚えた。
若き頃、目にした漱石の「こころ」とトーマス マンの「魔の山」があの様に関連して読まれるべき文学作品であったことを知らされ、今更ながら自分の“読み”の浅さを後悔の念を持って自覚させられたが、何十年振りかに再読したい気持ちに揺さぶられるのは先生の講演を聴けたお蔭と、鎮西学院の企画に深い感謝の念で帰路についた。
『いかに自分を信じ、信じられ、そして信じる人が持てるか』が人生を“不安か安らぎ”の中で終えるかの課題であるとのお話は人生の最終楽章を無自覚の下で、生活していた私に鋭い警鐘を心に響かせて戴いた。
先生の箴言の様な言葉の数々は、私の人生を振り返り、これからの指標ともなった。

諫早市 A様